ツリーハウスというと、子供時代に夢見た秘密基地のイメージが強いかもしれません。
しかし、世界各地にはツリーハウスと呼ばれる建築物が多種多様に存在しており、その中には驚くべき規模と豪華さを誇るものもあります。
今回は、その中でも世界最大とされるツリーハウスについてご紹介します。
世界最大のツリーハウスとはどんな建物？
世界最大のツリーハウスと言われているのは、アメリカ合衆国テネシー州クロスビルに位置する「The Minister’s Tree House」という名前の建物です。
このツリーハウスは、高さ約29.5メートルに及ぶ5階建ての建物で、全部で80室もの部屋があります。
しかも、この建物は全て木材で作られており、6本の大きな木が支柱として機能しています。
その中でも特に目立つのが直径約3.6メートルもあるホワイトオークという種類の木で、この木がメイン支柱として建物を支えています。
どうしてこんなツリーハウスが作られたの？
このツリーハウスを作った人物は、「Minister Horace Burgess」という男性です。
彼は元々建築家ではありませんでしたが、1993年に神から啓示を受けてこのツリーハウスを作り始めたと言います。
彼は「神が私にこう言ったんだ。『私が材料を与え続ける限り、あなたはこの木に家を作り続けなさい』とね」と語っています。
彼は14年間もかけてこのツリーハウスを完成させましたが、その間に使った材料費はたった12,000ドル（約149万円）だったそうです。
世界最大のツリーハウスにはどんな魅力があるの？
完成した「The Minister’s Tree House」は、テネシー州の観光名所として多くの人々が訪れるようになりました。
内部には教会やバスケットコート、ブランコや鐘楼などが設置されており、秘密基地感満載でした。
また、木々や鳥や虫の音に包まれていると自然と調和した気分になれるとも言われています。
一方で、安全性や衛生面に関しては不安が残る部分もありました。
世界最大のツリーハウスは今どうなっているの？
このツリーハウスは、2012年にテネシー州の消防局から「火災の恐れがある非常に危険な場所」として立ち入り禁止となりました。
多くの人々から愛されていたツリーハウスですが、修繕費用がなく再開する見込みはありませんでした。
そして2019年に起きた火災によって、このツリーハウスは全て焼失してしまいました。
そのため、残念ながら現在では「The Minister’s Tree House」の姿を見ることはできません。
世界最大のツリーハウスを訪れた人々の感想
「The Minister’s Tree House」を訪れた人々は、その圧倒的な規模と独創性に感動したと言います。
中に入ると迷路のようであり、どこまでも探検したくなるそうです。
また、木々や鳥や虫の音に囲まれていると自然と一体化したような気分になれるとも言います。
一方で、安全性や衛生面に不安を感じた人もいたようです。
それでも、このツリーハウスは人々の心に強い印象を残したことでしょう。
まとめ
このツリーハウスは、人間の想像力と信仰の力の象徴と言えるでしょう。
神からの啓示に従って、ほとんど無償で手に入れた木材で巨大な建築物を作り上げたMinister Horace Burgessは、多くの人々に感動と驚きを与えました。
しかし、その美しくも壮大なツリーハウスは、火災の危険性や建築基準の問題によって閉鎖され、最後には炎に包まれてしまいました。
その悲劇的な結末は、人間の夢と現実のギャップを象徴しているかのようです。
それでも、このツリーハウスは、世界最大のツリーハウスとして歴史に残ることでしょう。
